無投票選挙で失われる有権者の参政権

埼玉県議会議員選挙では 春日部市(東第7区) は無投票

4月7日に行われる埼玉県議会議員一般選挙で、春日部市(東第7区)は、定数3の議席に立候補者が3人(現職)のため、無投票となりました。無投票ということは、有権者である春日部市民には、参政権を与えられなかったともいえます。市民にとって県政は、遠い存在というイメージがありますが、こういう無投票が増えると、ますます県政と市民・県民の距離が広がっていくことでしょう。

埼玉県の4割の選挙区、3割の立候補者が無投票

2019年4月7日開票の埼玉県議会議員選挙は南選挙区では、さいたま市北区(南第4区)が現職・新人2名、さいたま市緑区(南第11区)が現職1名()、さいたま市岩槻区(南第12区)が現職1名、鴻巣市(南第16区)が現職2名、蕨市(南第19区)が現職1名と、計7人が無投票。

西選挙区では、入間市(西第2区)が現職2名、飯能市(西第3区)が現職1名、毛呂山町・越生町・鳩山町(西第9区)が現職1名、鶴ヶ島市(西第11区)が現職1名、東松山市・川島町・吉見町(西第12区)が現職2名、滑川町・嵐山町・小川町・ときがわ町(西第13区)が現職1名と計8名が無投票。

北選挙区では、秩父市(北第1区)が現職1名、横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町・東秩父村(北第2区)が現職1名、本庄市・神川町・上里町(北第3区)が現職2名、熊谷市(北第5区)が現職2名、新人1名と計7名が無投票。

東選挙区では、羽生市(東第2区)が現職1名、久喜市(東第4区)が現職1名、白岡市・宮代町(東第6区)が現職1名、春日部市(東第7区)が現職3名、八潮市(東第9区)が現職1名、幸手市・杉戸町(東第11区)が現職1名、吉川市・松伏町(東第12区)が現職1名で、計9名。

合計で22選挙区、31名が無投票で県議会議員になります。埼玉県全体の選挙区は52、定数は93名です。およそ4割の選挙区が無投票、3割の立候補者が無投票で県議会議員として4年の任期を務めます。

県議の議員報酬は月額142万円

埼玉県議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例によると、

県議会議員の議員報酬の額は、月額92万7000円と定められています。
また以下の職では、月額報酬はさらに大きくなっています。
 県議会議長           114万4000円/月額
 県議会副議長          101万6000円/月額
 県議会議会運営委員会委員長    99万4000円/月額
 県議会議会運営委員会副委員長  97万2000円/月額
 県議会常任委員会委員長     97万2000円/月額
 県議会常任委員会副委員長    95万円   /月額

さらに県議会の招集によって1日6000円から1万2000円の旅費が支給され、期末手当の支給があり、その上、月額50万円の政務活動費が会派に所属議員分交付されます。

 全体の3分の1にあたる県議が県民の付託を得ずに、選挙で選ばれた県議と同じ条件で報酬を受け取ることに疑問を感じますが、誰が選挙に立候補するかは、誰もわかりません。無投票選挙区の議員報酬を下げるべきだとは思いませんが、無投票地区では本来選挙期間中に知りうる立候補者の政策や実績も知らないまま終わってしまいます。

無投票でも政治に意見を言えるように

 たとえば、選挙後に政策討論会や政策方針演説、市民との対話を無投票議員がやるようにするなど、県政と選挙区の将来について情報提供や意見交換する場があってもいいかもしれません。

 また、選挙を行うことで立候補者の実力も磨かれます。さらに付託された票数によって県議会内の関係も変わってくるでしょう。無投票となると、投票によって選ばれた議員からすれば、「選挙もしないで……」と軽く見られることもあるでしょう。その結果、地域をよくする発言権も低下するかもしれません。

 投票率が落ちていることも問題ですが、政治家を決める選挙が行われないこと。そしてそうなった場合、どうするべきか。いろいろなアイデアを出し、市民の意見を政治に反映できるようにシステムを考えていく必要があるでしょう。

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