国民の所得は増えるのか?
第50回衆議院議員総選挙が2024年10月15日に公示され、10月27日に投開票が行われた衆議院選挙は、自民党が大きく議席を減らりし、議席は次のようになりました。
与党215 議席:自由民主党 191議席(-56)
公 明 党 24議席(-8)
野党250 議席:立憲民主党 148議席(+50)
日本維新の会 38議席(-6)
共 産 党 8議席(-2)
国民民主党 28議席(+21)
れいわ新選組 9(+6)
社会民主党 1議席(0)
参 政 党 3議席(+2)
日本保守党 3議席(+3)
和歌実(※) 1議席(+1)
無 所 属 11議席(-11)
(※)「和歌山から日本を再起動!!」実現の会
選挙ドットコムより
過半数を割った与党は、政権確保に野党の協力が必要になります。ここでキャスティングボードを握ったのが国民民主党でした。多くのメディアでは国民民主党の「手取りを増やす」というスローガンが特に現役世代に受けたといわれています。
株価も与党が過半数割れし、政権が不安定になったにもかかわらず、下落せずに上昇しました。これもキャスティングボードを握った国民民主党の現実的な経済政策に安心感を覚えたという見方となっています。
手取り(所得)が増えることで、国民消費が増えることは間違いありません。国民民主党は
(1)「年収の壁」の見直し
(2)ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除
などを重要課題として協議するとしています。
選挙前は消費税減税も訴えていましたが、それを与党に飲ますのは現実的ではないと判断したのかもしれません。消費税増税は野田政権で決まり、安倍内閣で5%から8%へ、8%から10%へと二段階に分けて引き上げられました。二段階に延期したのも選挙の争点として安倍内閣が訴えてできたことで、消費税の税率を下げるということは政治的にかなり難しいのだと感じます。
国会議員同士の対話で活性化を
所得が増えないことには、消費も増えません。減税による所得アップは、企業にとっても負担が増えることではないので、嬉しいことでしょう。
春日部市でもイトーヨーカ堂が撤退し、特に一丁目一帯が閉店店舗が軒を連ねるようになっています。駅高架が完成するまえに、春日部駅周辺が地盤沈下している現状があり、10年先の未来よりも2~3年後の地域経済がどうなるかが見通せない状況にあると感じます。
そこで今回の選挙を振り返れば、新たな選挙区となった埼玉16区から土屋品子議員と三角創太議員(比例復活)が当選を果たしました。公示前のインタビューでも春日部市の活性化には前向きだったお二人です。与野党での対立はあるでしょうが、こと春日部の活性化においては与野党関係なく前向きな協調をしていってもらいたいものです。
埼玉県、春日部市との連携も深めつつ、春日部市の将来についてお互いに情報交換、議論を深め、二馬力で頑張っていってもらいたいと思うのが多くの市民の思いではないでしょうか。
子育て、教育、高齢者介護、賑わいづくり……。話すべきテーマはたくさんあります。商工会議所主催による公開討論会など、市民も参加できるような場が生まれることを希望したいと思っています。
なお、国民民主党に多くの有権者が響いたのは「手取りを増やす」と同じくらい「対決より解決」ではないでしょうか。アメリカ大統領選挙、イスラエル・パレスチナ問題、ロシアのウクライナ侵攻、欧州での右派勢力の拡大など、世界では「分断」が大きな懸念材料となっています。対決して、憎しみあり、恨みあい、その怨恨を残したままでは、国も世界情勢も悪化を続ける一方です。
もう対決は疲れた。話し合いで物事を解決し、事態を前に進めてほしい――。そういう思いも国民民主党への一票には込められているのではないでしょうか。
だからこそ、与野党で二人の国会議員が誕生した埼玉16区では、手を合わせて地域の発展に貢献してくれることを願ってやまないのです。