春日部市でもっとも有名なキャラクターといえば、『クレヨンしんちゃん』ですね。この「クレしん」をまちおこしに活用しようということは誰もが考えることで、実際に市内の各所にしんちゃん像があります(「クレヨンしんちゃん観光ガイド」)。
市議会でも「クレしん」の活用はたびたび言及されています。直近では「令和4年12月定例会-12月13日-06号」にて、「次世代 かすかべ!」の阿部雅一議員が質問しています(動画はコチラ)。
◆16番(阿部雅一議員)
クレヨンしんちゃん家族都市プロジェクトについてでございます。とりわけ本市、春日部市は、クレヨンしんちゃん本家本元のまちとして、その存在感は抜群であるかと存じます。平成16年には、旧春日部市の市制施行50周年を記念し、クレヨンしんちゃん一家が特別住民登録されて以来、クレヨンしんちゃんには子育て応援キャラクターとして、またまちの案内人として春日部市の応援に入っていただいております。
しんちゃんの応援につきましては、本市ホームページに8つの項目でその内容が記載されております。一つ一つ申し上げさせていただきます。
1つ目、地域社会における子育て支援サービスの充実に関すること
2つ目、母性、乳幼児など健康の確保と増進に関すること
3つ目、学校と地域との連携による教育力の向上に関すること
4つ目、子育てを支援する安全安心な生活環境の整備に関すること
5つ目、観光・環境など、市の魅力向上に関すること
6つ目、地域資源の発信に関すること
7つ目、前各号に掲げる市の広報活動に関すること
8つ目、その他子育て施策と魅力向上施策の充実のため必要な分野に関すること
以上8つの項目分野において絶大な応援を本市では既にいただいているところでございます。
ここで、本家本元の春日部市として、本市がこのたびの3県による家族都市プロジェクトに連携協力している事業はあるのでしょうか。あるいはまた、今後その予定はあるのでしょうか。よろしくお願いします。
◎日向誠 総合政策部長
1点目は、先ほども答弁いたしましたクレヨンしんちゃんまるごとさいたま!QRスタンプラリーでございます。こちらは、ぷらっとかすかべがスタンプスポットとして連携協力を行い、開催期間中はQRスタンプを求める多くの方が来訪いたしました。
2点目は、かすかべ音楽祭2022わくわくコンサートでございます。こちらは、2023年11月20日にクレヨンしんちゃん30周年企画と銘打って、親子で楽しめる音楽コンサートを開催いたしました。このコンサートは、家族都市プロジェクトのイベントの一つとして埼玉県の家族都市特設サイトへ掲載されるとともに、当日のコンサートでは来場者全員にクレヨンしんちゃん家族都市オリジナルステッカーをプレゼントしたところでございます。
3点目は、2022東部プレミアムファンフェスタでございます。こちらは、埼玉県と本市において家族都市のPRブースを共同出展し、本市のPRとしてクレヨンしんちゃん絵はがきセットを販売するとともに、市のシティセールス広報誌「haru+」の配布を行ったところでございます。
4点目は、クレヨンしんちゃん、QRサブレでございます。こちらは、家族都市コラボ商品として、熊本県の菓子メーカーが製造する商品でサブレにプリントされたQRコードを読み込むと、3県のキャラクターのフォトフレームで写真が撮れたりするものでございます。この商品をぷらっとかすかべをはじめ、市内の大型商業施設などで販売を行っているところでございます。今後についても積極的に関わってまいりたいと考えております。
以上です。
◆16番(阿部雅一議員)
本市独自の連携事業についてご答弁いただきました。比較的小規模なイベントでもクレヨンしんちゃんが関わると気分が高揚してきて、どうしても人の心をわくわくさせる、そんな力がクレヨンしんちゃんにはあるのかと思いますが、(中略)藤まつりや大凧あげ祭りとの連携についてはいかがお考えでしょうか。お願いいたします。
◎日向誠 総合政策部長
藤まつりや大凧あげ祭りは、市外からも大変多くの集客がある本市を代表するイベントでございます。(中略)現在、家族都市プロジェクトの事業展開におきましては、双葉社、埼玉県、東武鉄道、春日部市で構成する4者会議を定例で開催し、企画検討しておりますことから、本市イベントの事業展開の可能性については、担当部署と十分調整した中で協議してまいりたいと考えております。
以上です。
◆16番(阿部雅一議員)
ただいま総合政策部長からは、双葉社さん、埼玉県、東武鉄道さん、春日部市の4者会議の定例開催に向けて、企画検討とのご答弁がございました。この家族都市プロジェクトは、とりわけ埼玉県と連携を密にすることで、さらにしんちゃんのまち春日部をPRすることにもつなげられる絶好の機会だと思います。岩谷市長におかれましては、先日大野知事とのシンポジウムにおいて大野知事とのさらなる信頼、連携を深められたとのことでございます。今後の家族都市プロジェクトにおける県との連携について、市長のお考えをお伺いしたいと存じます。
◎岩谷一弘 市長
クレヨンしんちゃん家族都市プロジェクトは、3県の取組ではございますが、本市といたしましてもこのプロジェクトを通じて全国に本市をPRできる絶好の機会であると捉えております。
そのため、現在取り組んでいるものも含め、今後の家族都市プロジェクトの事業展開につきましても、埼玉県と連携を密に図り家族都市協定、そして本市のPRにつながる効果的な施策を企画提案し、クレヨンしんちゃんのまち春日部として積極的に関わり、協力してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
アニメキャラクターで町おこしはできるのか?
アニメキャラクターをまちづくりに活用している自治体はたくさんあります。コンテンツツーリズムなどといって聖地巡礼をテーマに旅行企画を立ち上げる地域も出てきています。
お隣の久喜市は、『らき☆すた(2007)』の舞台にもなっていて、市内の鷲宮神社などには聖地として多くの巡礼者が訪れています。ちなみに春日部共栄高校も同作品の高校のモデルとされていて、聖地のひとつとされているようです。
ほかにも東京都練馬区は《ジャパンアニメーション発祥の地》であり、区内にアニメスタジオが多数あることから、「アニメ・イチバンのまち」としてさまざまなアニメイベントやPR事業を行っています。
東京都調布市は「水木マンガの生まれた街」として、ゲゲゲの鬼太郎をモチーフにしたイベントやモニュメントがあります。
春日部市も「クレヨンしんちゃん観光ガイド」のように「クレしん」をモチーフにいろいろな取り組みを行ってるのは前述のとおりですが、いまいち街としての盛り上がりが感じられません。
もちろん春日部市が著作権をもっているわけではなく、双葉社をはじめとした著作権管理者の意向を無視してできるものではないし、巨大すぎる「クレしん」市場を一市で独占するわけにもいきません。「ドラえもん」でのまちづくりができないのもそのためでしょう。
そう考えると、春日部市にこれだけ「クレしん」関連モニュメントがあるのは破格なのかもしれません。
とはいえ、春日部市が「クレしん」の聖地どころか、観光名所にもなりえていない風に感じるのも事実です。市内のさまざまな観光スポットやイベントの際のアクセサリーとして「クレしん」が利用されるのも結構ですが、なにかひとつ『春日部市のしんちゃんスポットといえばココ!』というものが打ち出せるといいかもしれません。
毎年新作映画が公開される作品だからこそ、毎年しっかりアピールできるものができることを望みます。