放課後児童クラブについて、これまで社会福祉協議会1団体が指定管理者としてきたものを、来年度からA、B、Cブロックの3分割とし、その分割募集をすることになった。これまで慣れ親しんできた社協が公募に応じなかったことから、保育の質、保育士の雇用などについて、児童クラブの保護者を中心に不安が高まっている。
平成30年 6月定例会-06月11日-06号に今尾安徳議員と内藤信代こども未来部長の学童保育の答弁があったが、9月議会でも取り上げられている。
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9月定例会では、6日に鈴木一利議員、7日に今尾安徳議員が質問をしている。答弁者は内藤信代 こども未来部長だ。今回も学童保育に限った答弁を抜粋する。まずは6日の鈴木一利議員との一問一答だ。
◆春日部市社会福祉協議会が応募しなかった理由は
鈴木一利議員
春日部市放課後児童クラブについて伺ってまいります。春日部市社会福祉協議会は、これまでに放課後児童クラブ事業に対しても実績があると思っているところでございました。それでも今回、来年度以降の指定管理者としての応募をされてこなかった、その理由はどのように市としては捉えているのでしょうか、お伺いをいたします。
春日部市放課後児童クラブについてのご質問に答弁申し上げます。
今回の放課後児童クラブの指定管理者の募集に当たりましては、開室時間の変更、クラブ増設などの事業の拡大を視野に入れた中で、支援員の確保を図り、より一層保育サービスの向上を目指すという考え方により、区域を3つのブロックに分割し、募集の手続を進めてきたところでございます。
春日部市社会福祉協議会は、市と地域福祉をともに進めるパートナーであると同時に、先ほど議員からもございましたが、平成10年度より春日部市福祉公社の時代から放課後児童クラブの管理運営に携わっていただいております。平成18年9月からは、放課後児童クラブの指定管理者として、これまでの実績やノウハウを生かした質の高い保育サービスの提供とさまざまな取り組みを積極的に行っていただいてきたところでございます。そのため、次期指定管理者につきましては、応募に向けた検討を進めていただいているものと考えておりました。
このような状況の中で、社会福祉協議会に応募しなかった理由を確認しましたところ、募集要項における支援員の配置や積算方法など、保育サービスに対する考え方に相違があったとのことでしたが、市といたしましては、現行の指定管理者による保育を基準としており、そのような中、応募がされなかったことにつきましては大変残念に思っております。
以上です。
◆3ブロックに分割して指定管理者を募集した理由
鈴木一利議員
今回の募集で春日部市を3つのブロックに分割して指定管理者募集をした。これはどのような見解のもとで3分割されたのでしょうか。
児童クラブを3つのブロックに分割した考え方でございますが、必要な支援員の確保と適正配置により、これまで以上に児童の安心安全と保育の質の向上を図ることにございます。
この背景といたしましては、ここ数年、施設の管理運営におきまして必要な支援員の人材確保が困難な状況であったことが大きな理由でございます。この状況を打開する方策といたしまして、指定管理者と十分協議を行った上で分割して募集を行う方針に至ったものでございます。分割におきましては、保育サービスに影響が生じないよう適正なクラス数のバランスを図り、3つのブロックに分割したものでございます。内訳でございますが、Aブロックは主に粕壁、内牧、豊春地区の15クラブ、Bブロックは主に武里、豊野地区の11クラブ、Cブロックは主に幸松、庄和地区の14クラブの合計40クラブでございます。
以上です。
◆基準価格について
鈴木一利議員
今回の募集に際して、そもそも指定管理料の積算は、どのような見解のもとで春日部市として提示されたのでしょうか。何か先日、社会福祉協議会さんのほうで開催された支援員さんへの説明会におきましては、応募しなかった大きな理由の一つとして財政面を挙げていたそうです。そこで、本市として、そもそもこの価格についてはどのような積算のもとで行われたのでしょうか。
基準価格につきましては、クラブごとに光熱水費、修繕費などの施設にかかる費用や支援員の人件費を算出し、ブロックごとに価格を設定しております。支援員の人件費につきましては、これまでの人件費単価を見直し、市の指定管理者制度運用指針で示されております人件費単価のうち嘱託保育士の単価を基準とし、積算をしましたことから、現在の指定管理委託料よりも高い設定としております。
また、現時点では、複数の事業者から指定管理者の申請がございました。基準価格の範囲で積算がなされており、さまざまな事業提案がなされておりますことからも、市といたしましては、基準価格に対する一定の妥当性は担保されているものと考えております。
以上です。
◆社会福祉協議会が応募しない可能性を想定していたか
鈴木一利議員
春日部市としても放課後児童クラブをしっかりと運営していただきたいとの思いからでしょう。それでは、なぜこのような事態、いわゆる社会福祉協議会さんが応募しない、事業継続をしないということは、春日部市としても想定されていたことなのでしょうか。
想定していたのかどうかというご質問でございますが、まず仕様の変更につきましては、市が一方的に変更したものではなく、先ほども申し上げましたが、社会福祉協議会と協議を行った上で必要な支援員の確保と適正配置により、これまで以上に児童の安心安全と保育の質の向上を図ることを目的に行ったものでございます。
平成30年6月に保護者の皆様、それから社会福祉協議会、市で構成されております放課後児童クラブ運営委員会が開催されました。こちらの会議は、私どもの職員も出席しておりますが、その中で社会福祉協議会として指定管理者の応募について前向きに検討する旨の回答があったこと、また指定管理者募集期間中におきましても積極的に質問されてきましたことなどから、応募していただけるものと確信をしておりました。
◆応募しないことを市は事前に知っていたか
鈴木一利議員
春日部市とこの社会福祉協議会との関係性を考えてみますと、事前に社会福祉協議会が放課後児童クラブ、来年度以降応募しないという事実を知ることができたのではないか。もっと言いますと、今回応募しないという事態は、春日部市と社会福祉協議会が共同で行ったのではないかとの疑念を抱く方もいらっしゃいます。この件につきまして春日部市としての見解を伺います。
社会福祉協議会は、現指定管理者として放課後児童クラブの管理運営に携わっていただいており、職員の配置や3つのブロックへの分割についての協議など、さまざまな場面で緊密な連携、協力が図れてきたものと考えております。一方で、指定管理者の募集に関しましては、公募が原則でありますことから、市民の皆様や関係者の皆様から疑念を抱かれることのないよう、また情報漏えいや不適切な働きかけと捉えられることのないよう一定の距離を保つことも必要でございます。そのため、応募手続に関しましては公正公平に留意し、対応を図ったことから、事前に応募の意思確認などは行っておりません。
以上です。
◆保育の質は担保されるのか
鈴木一利議員
春日部市の放課後児童クラブというのは、これは社会福祉協議会さんの実績というよりも、これまでに一生懸命尽くされてきた支援員さんの皆様のお力があって春日部市放課後児童クラブは質の高い保育、これは先ほど来部長の答弁の中でもさまざま出てきました、この質の高い保育というものを保ってまいりました。これは来年度以降も保育の質が低下をするということはあってはなりません。この件につきまして、本市としての見解はいかがでしょうか。
長年にわたりましてクラブを運営してきていただきました社会福祉協議会が応募されなかったため、これまで蓄積されましたノウハウや専門的技術をどう継続していくのかが課題というふうに捉えております。その課題に対応できる指定管理者を選定することが市の責務であるというふうに考えております。市といたしましては、適切な引き継ぎ期間を設定し、仕様書に基づき支援員の確保や綿密な協議等を計画的に進めることで放課後児童クラブが子供たちにとって安心で安全に過ごせる生活の場となり、保護者の皆様に安心していただけることを目指し、これまで培ってまいりましたサービスが低下することのないように努めてまいります。
以上です。
◆現在の支援員の処遇はどうなるか
鈴木一利議員
今現在奮闘されている支援員さんの今後の処遇に対しましてはどのようにお考えでしょうか。これは基本的には、現状では社会福祉協議会さんの問題であると思います。しかし、例えば支援員さんの配置につきましては、どこの市町村でも大きな課題となっております。だからこそ、今奮闘されている支援員さんの存在というものは本当に大きいものです。そんな今現在頑張っていらっしゃる支援員さんの今後の処遇につきまして、本市としての考え方を伺っておきます。
議員からもございましたが、現指定管理者の支援員の皆様につきましては、本市の放課後児童クラブ運営におきまして、児童の安心安全に過ごせる居場所を確保し、子供たちが多様な体験や活動性を身につけるために献身的なサポートをいただくなど、放課後における子供たちの健全育成に多大な貢献をいただいておりますことに本当に感謝を申し上げております。
支援員の雇用につきましては、議員ご指摘のとおり基本的には社会福祉協議会となりますが、今回指定管理者に応募された事業者からの事業提案の中には、現支援員の雇用について前向きな提案を行っております事業者もいらっしゃいます。このようなことから、今後の選定手続を進める上では、公正公平な審査を行うとともに、指定の議決がなされた場合には現指定管理者及び次期指定管理者に対しまして、支援員に関する必要な情報提供を適宜行うなど、さまざまな働きかけを行ってまいりたいと考えております。
以上です。
◆今後のスケジュールはどうなっているか
鈴木一利議員
春日部市放課後児童クラブの指定管理者決定までの今後のスケジュールについてどのようになっておりますでしょうか。
今後のスケジュールでございますが、9月下旬に指定管理者候補者選定委員会の開催を予定しております。選定委員会は、内部委員会ではございますが、応募事業者が提案した内容につきまして、事前に提出された計画書等をもとにプレゼンテーションを行いまして、その内容を審査した上で候補者を選定いたします。その後、選定結果を踏まえた上で指定管理者候補者を決定しまして、12月に議案として提案することを予定しております。
以上です
。
◆市長の見解
鈴木一利議員
それでは、ここで市長にお伺いいたします。
ここまでの質問で、春日部市放課後児童クラブは、ある意味大きな転換期に来ていると思います。しかし、子供たちにとって、また保護者にとっても、この放課後児童クラブは非常に重要なものであることは間違いございません。そこで、今後の春日部市放課後児童クラブ運営方針につきまして、市長はどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。
放課後児童クラブは、子育て支援のための大変重要な施設でございます。本市においては、保育の質の向上と子供たちの安心安全の確保を最優先に考え、指定管理者による運営を行ってまいりました。今後においても指定管理者制度による民間のノウハウを活用し、今まで以上に保育の質の向上を図りながら、子供の健全な育成と遊び及び生活支援となるよう放課後児童クラブを運営してまいりたいと考えております。
以上です。