【インタビュー】権守幸男 埼玉県議会議員

【インタビュー】権守幸男 埼玉県議会議員
ネットワークを駆使して、住民の要望に応える

■県議会議員の仕事とは?

<ネットワークの中継地点のような仕事が多い>

――県議会議員は議会のほかにどのような仕事をされていますか?

行政単位として、市、県、国という区別がありますが、住民の皆さんにはこれが市の管轄で、ここからが県の管轄だという線引きはないですよね。相談しやすいからと私に相談してくる方もいらっしゃいます。まずは住民の皆さんの要望をお聞きして、それをしかるべき部署や人物につなげるというネットワークの中継地点のような仕事も多いですね。

もちろん、要望はたくさんの方々からいただいていますから、すべてが実現できるわけではありませんが、その内容は関係する人たちには伝えています。少なくとも、お話を伺って、それができるかどうか、自分では判断をしないようにと、ずっと心がけてきました。

――市の問題でも、関係なくですか。

市の問題なので市議会議員に相談してください、ではなく、公明党はネットワーク政党なので、市議会議員につなげたり国会議員につなげたりします。たとえば、春日部市には普通自動車の陸運局があります。陸運局は国の機関なのですが、その場所が分煙されているけれど、煙が臭いから改善してくださいと2019年2月に相談されたことがありました。そこで公明党の国会議員秘書に調べてもらったら、受動喫煙防止法の改正に伴って2019年7月に全部撤去しますという回答があったんですね。それで7月に撤去するとお伝えしたことがありました。

また、春日部には国土交通省大宮国道事務所の春日部国道出張所があるので、国道沿いの雑草が気になるというお話をいただいたら、所長が知り合いですので、直接電話したりもします。

ですから、市民、県民の方は公共の施設で気になっても、誰に話をしていいかわからない。たらいまわしにされるかもしれない、ということでなにもしないのではなく、議員の私にご相談しえもらえばいいと思いますね。

――市に対して、政策的な働きをするということはないんですか。

たとえば保育事業は、市が中心なので保育士が足りなければ、市が保育士の確保に動きます。そういう動きがあったときに、いかに支援していくかということですね。こういう意見がありますよと、市や市長に伝えたりするのが県議として市への関わり方だと思います。

最近、多くいただく要望が市立医療センターは市民を最優先に受け入れてほしいというものです。市立だからこそ市民を優先してほしいと。医療センターの病院長や事務長、市長にこういう意見がありますと伝えることしかできないんですね。けれど、そう伝えることで事態が動くことはあるので、話をつなげるネットワークをどう育てていくか、というのが県議の仕事の大きな部分ではないかと思います。その意味でやればやるほど効果を発揮できるのが県議かもしれないですね。

また、公明党は全国政党ですから国と県、市で連携して政策の実現に動けます。公明党の県東部(行田市、羽生市、加須市、久喜市、蓮田市、白岡市、幸手市、宮代町、杉戸町)の県議は春日部市選出の私一人です。それぞれの地域の市議会議員や町議会議員から、県議の私に要望が届いて、例えば、私が話を通してその地域に信号機をつけるということもあります。ほかにも、久喜市内で夜間になると信号機が点滅に切り替わる交差点において衝突事故があったんです。そこで改善要望をいただいて、警察当局に現地を見てもらい、夜間においても、日中同様に信号機が青黄赤に切り替わるようにしてもらいました。

私は初当選以来、「政治を庶民に取り戻す」を政治信条としています。政治が遠いものだというのを払拭したいなという思いがありましたから。市民の皆さんの声に耳を傾けたいと思っていますし、私から県へ、私から市へ、私から国へ、とさまざまなところに話をつなげて、問題解決を図っていきたいと思っています。

――議会での質問から政治が動くこともありますか。

大いにありますね。たとえば、2019年度の埼玉県の公立高校の入試から、急病などにより受験できなかった受験生のために追試が導入されました。それは私が2017年2月の議会で「公立高校受検における体調不良者等への対応について」という質問が導入のきっかけになったんです。2016年2月に神奈川県で受験生がインフルエンザで体調を崩し、高校入試で思うような結果が出せなかったことを苦に、その受験生とお母様が自ら命を絶ってしまうという痛ましいことが起きてしまいました。

私自身も一人の親として、胸が張り裂ける思いになりました。そこで同年3月に公明党の浮島智子衆議院議員(当時)(現・文部科学省副大臣)が、文部科学委員会でこの事件を取り上げ、別日程の追試を認めていれば防げたのではないかと指摘し、文科省に実態の把握を提案していたんですね。そうしたら急病による追試を実施している自治体は11府県市で、埼玉県も含めて55都道府県は受検日の当日に別教室で試験を受けさせているだけだったんですね。そこで文科省は、各都道府県の教育委員会に追試を導入できるようにすべきだという通知を出したんです。

公明党には、「調査なくして発言なし」というモットーがあって、できる限り現場に行って話を聞くことを大切にしています。当時、埼玉県でも追試は導入されていません。早急になんとかしなければならないと思い、調べてみると、既に追試を実施している県がありました。三重県です。私は三重県教育委員会に飛んでいき、担当者から話を聞きました。

「昭和41年当時から追試を既に行っています」と言われました。三重県でできるのだから、埼玉県でできないわけがない。そういう思いで、追試導入の実現について、質問に立ちました。

しかしながら、教育行政のトップである当時の教育長は、「もしもの場合は、受験日当日、別室で対応している」との一点張り、前向きな答弁が一向に得られませんでした。教育長の答弁を聞きながら、「子どもたちのために、万全の体調で臨ませてあげたい」との思いが、さらに強くなりました。私は「子どもたちの側に立って考えることが、教育者のあり方ではないか」と追試の導入を粘り強く、繰り返し、訴えました。そして、粘り強い訴えが実り、この春から、埼玉県内すべての公立高校で追試が実施されるようになったのです。

<鉄道高架事業は議会のやり取りで議論が加速した>

――春日部駅の鉄道高架事業は県の事業ですが、ついに着工が現実のものになりましたね。

2019年2月12日に県の都市計画審議会が開かれ「春日部駅付近連続立体交差事業」に関わる議案が可決、つい先日の3月8日に県都市計画決定となりました。今後は、国からの事業認可を得るための手続きに入ります。すでに県議会で可決した平成31年度の予算には、「鉄道高架で踏切ゼロ! の推進」(県土整備部)というで新規事業として、用地測量と実施設計の費用として、4億9,395万円の予算がついています。

県の予算は事業認可が下りないと執行できませんが、事業認可がでるだろうというもとに予算をつけているわけです。ですから実質的には、もうスタートしたといえると思います。

いよいよ、この事業が現実に動き出します。

――ここ数年の急に動き出しましたね。

これまでこの事業を推進するため、東武鉄道や国土交通省と協議を行いました。事業が進むきっかけの一つに私が行った平成29年2月定例会の質問があったと思います。

この時、上田清司知事は答弁が終わったときにぐっと私の方をみて、「長い間お待たせしましたが、やっとスタートラインいつくことができました」と言ったんですね。あの答弁を聞いて私もびっくりしました。すごく踏み込んだ発言でした。知事は答弁原稿に書いてないことを発言して、それから急に体制も変わりました。春日部駅付近連続立体交差事業は道路街路課という部署が担当ですが、その課長は以前、春日部市の鉄道高架担当部長で出向してきていた人が課長で、直近の担当部長が道路街路課の副課長です。部署の人員配置も鉄道高架をやるぞという人事だったので、間違いなく進むと思うようになりました。あの質問から2年で急激な進展が見えてきたと思いますね。

ただ、市民の皆さんの感覚としては「やっと始まるの?」というところです。その次の感想が「どれくらいでできるのですか?」。完成まで事業認可取得から最短で12年かかる事業だと説明すると、「生きている間にできるかな」と言われます。

確かに完成までの道のりは長いです。しかし、国が行った鉄道高架事業の再評価は平成17年です。それから平成31年まで14年ずっと動いてこなかったのが、ここにきてやっと動き出したんです。あとは完成まで、応援いただきながら、できる限り工期の縮小に取り組むということですね。そうなると課題は財源の確保です。総事業費650億は国や県、市、東武鉄道4者間で決めた割合に応じて負担します。県の負担分として予算確保していかなければいけません。

■春日部はどう発展していくか?

<ネットワークを駆使して多様な意見からにぎわい創出を目指す>

――鉄道高架で春日部のまちも変わっていきますか。

駅高架と同時に行う新たなまちづくりによる賑わいの創出が課題ですね。鉄道高架は県の主体事業だけど、まちづくりは市が主体です。そこはネットワークをつかって、いろんな意見を集めて、うまくまちづくりをやっていかないといけませんね。高架化しましたけど、市民がばらばらでまちづくりが進んでいなくてという状況では、効果も半減しますから市議団と連携しながら、春日部のまちづくりを進めていきたいと思います。

私が一番期待しているのは鉄道によって分断されていた東西が一体化することです。歴史ある町並みの東口、商業・官公庁施設が集まった西口の物理的な行きづらさや分断された交流が解消されれば、にぎわいはおのずとでてくるのではないかなと思っています。

東武鉄道としては、大宮から春日部で乗り換えないで千住方面に行けるようにするために8面にするわけです。その人の流れをどうやって春日部で降りてもらうようにするか。

それを考えていかないといけませんね。

ごんもり幸男公式ホームページ
埼玉県春日部市藤塚250-337
TEL&FAX 048-738-2364
メールアドレス yukio@gonmori.com

インタビューカテゴリの最新記事