2016年から8年間、ずっと民主党系として挑戦し続けた
――政治家を目指した理由を教えてください。
私は片親の元で育って、アルバイトをしながら学校、高校、大学通わせてもらいました。しかし友人の中にはお金がなくて進学を諦めなければいけない人もいて、お金がないせいで将来をあきらめてしまうような世の中を変えていきたいなと思ったのが、政治を志した原点です。
直接政治にかかわったのは政権交代が起きた2009年のときで、学生でしたが元衆議院議員の手塚よしお先生(民主党)のもとで政治秘書をしていました。当時から政治家になるなら民主党からと思っていました。
それはものすごくざっくり言うと、自民党は経済政策でいえば、どちらかというとお金持ち、大企業経営者目線の政党で、民主党は――今の立憲民主党もそうですけど、どちらかというと 中間層や低所得の方を大切にしようという、労働者目線の政党だからです。
どちらの側に立ちたいかと思った時に、民主党だなと思いました。
ただ、大学を卒業して、政治の世界にはいったわけではなく、三菱UFJ銀行に入社して6年間、法人営業として融資をやりました。法人営業をしていると中小零細企業の大変さもわかって、彼ら目線の経済政策をもっと進めないといけないと思うようになっていきました。
そこで2016年に衆議院の民主党の公募に申し込んで、旧埼玉13区(旧春日部市、旧久喜市、旧菖蒲町、蓮田市、白岡市、宮代町、越谷市大袋地区)で、政治活動をはじめたという流れです。
旧埼玉13区になった理由は単純で、前任の森岡洋一郎さんが2012年に落選して、次の候補の山内康一さんも短期間でやめてしまい、私が公募に申し込んだ時期が空白地だったからです。
そこで会社を辞めて政治活動を始めました。しかし2017年10月の総選挙のときには、希望の党との騒ぎがあり、13区では違う人を公認すると選挙の一週間前に言われ、埼玉11区から出馬することになりました。初めての選挙ですが、もちろん落選でした。
それからなかなか公認がもらえない時期が続いたのですが、その間は公認会計士の資格をとるためのを勉強をしたり、友人の会社でアルバイトしたりをするなどをして、なんとか生活をしていましたね。
そして2年後の2019年9月に埼玉13区で 立憲民主党の公認をもらい、翌月の総選挙に臨んだのです。この2021年10月の選挙がちゃんと挑戦できた初めての選挙がでした。
このときは土屋品子さんが約10万票で、私が約8万6000票。惜敗率は86パーセントでした。比例代表でも6位につけていて、5人が復活当選できたので、あとひとりというというところでしたね。
ただ、そこから立憲民主党もすぐに公認をしてくれました。今は選挙活動と公認会計士の仕事を両立させながら、この度の選挙に望むという状況です。無職の政治家は政党から公認がもらえていれば、選挙活動費が支給されることもありますから、公認されるかどうかはかなり大きいです。
――落選中も政治活動を続けていられたのはなぜですか。
私は2016年に公認をもらってから8年間、ほぼ春日部市に住んでるんですね。その間に結婚して、子どもが2人生まれ、家を購入しました。
この8年間、春日部市への思いを培ってきたと思います。子どもが生まれ育ったまちでもあるので、この地域から政治家を目指すというのは私にとっては大事なことでした。
特に今回は2022年に区割り変更があって初めての選挙です。旧13区は春日部市を境に南北に分断されたようなもので、北側は現13区である久喜市や蓮田市、白岡市、宮代町があります。そちらには支援してくれた方々がたくさんいました。一方、16区は春日部市が入っているけれど、2022年に新設された区です。
どちらを選ぶのかというときに、春日部市が入っている南側を選んだ理由は、やっぱり自分自身もずっと生活してるので、こっちで やっていきたいなっていう思いが強かったからです。
今の政治に任せていたら格差の是正はできないという原点はブレなかった
――選挙直前になって代表が野田佳彦さんになったことで、変わることはありますか。
私には立憲民主党だから応援してくれるという方が何人もいます。そういう方は立憲民主党の最初の代表である枝野幸男さんの価値観に共鳴されて、私のことも応援してくださるようになったんだと思っています。
ただ、 2019年にここから選挙に出て以来、支援してくださる方と一緒に活動していく中で、ものすごい量のコミュニケーションをしています。代表が泉健太さんになり、いまは野田佳彦さんになり、政策的には腹落ちしないところもあるかもしれませんが、三角がよく話してくれていて、いつも細かくすり合わせしているから、代表が誰になっても気にしないよと。三角を知っているから、ブレずに応援するよという方もいらっしゃいますね。
――政党ではなく、自分自身を支援してくれる人を作れたポイントはなんだと思いますか。
時間しかないかなと思うんですよね。時間をかけて話し合うことです。
私が政治活動をはじめてもう8年経っています。8年間浪人のまま活動をしてる人ってほぼいないんです。全国289選挙区のうち、2016年の民主党時代から今も受からずに衆議院で、諦めないで立憲民主党で政治活動を続けてる人は私と埼玉9区の杉村慎治さんと、関西に1人。わずか3人です。
多くの人は、2017年での希望の党騒動で懲りて辞めてしまいました。あるいは国政は難しいから、県議会、市議会でやってみようっていう人もいらっしゃいました。そこで非自民で、歯を食いしばってやるっていう人は全然いないんです。
そこかなと。諦めずにやり続ける。その時間をかけられるかどうかっていうことじゃないかなと思いますね。
自分のアピールポイントって言ったらおかしいですけど。諦めが悪いことかもしれませんね。
――そこまで諦めらめずにやり続けられた理由は?
うーん、それは最初に政治を志した理由が格差を解消してどんな家庭のお子さんでも教育受けられるようにしていきたいという原点があったからというのがひとつ。もうひとつが諦めちゃったらずっと自民党政権が続いてしまうからですね。
諦めて、また次の人が立憲民主党の候補として選挙にでても、勝てませんよ。だから諦めずにやるしかないと思っています。だから、公認会計士も取ったんです。
年を重ねてって、家庭も持って、子どももできて、家のローン組んでとか、ライフステージが進んでいけば浪人は続けられません。会計士だったら、別に落ちても自営業でやっていくことができます。手に職をつけとかないと長期的には戦えないなという思いもありましたから。
私は少なくとも政治家を続けてる限りにおいては自民党に入ることはないですし、自民党から出るんだったら私じゃなくてもいいかなと思っています。
今の政治ではダメだと思うから挑戦するわけで、今の政治でいいと思うんだったら、今の政治家に任せたらいいわけです。でも、今の政治家に任せておくと、格差の是正がずっとできません。
特に安倍政権以降、お金に余力のあって投資ができるような方は儲かるけど、働いてる普通の人とか年金で生活されてる皆さんの生活は全然改善してないどころか、物価高で苦しくなってる。 そういったことは諦めずに、私もぜひ国政の場で変えていきたいなと強く思ってます。
春日部市の活性化のためには政党、国政、地域関係なく連携していきたい
――埼玉16区(春日部市、さいたま市岩槻区、吉川市、松伏町)にはどういう課題がありますか。
例えば、春日部駅西口がどんどんシャッター街になっています。春日部駅近くには3つの商業施設(ララガーデン、イトーヨーカ堂、ロビンソン百貨店)があったのに、もうララガーデンだけになってしまいます。春日部駅周辺の再開発は簡単ではないとは思いますが、鉄道高架に先だってできるところがあればやっていく必要もあるのかなと思います。
大きな商業施設がなくなると、私含めて子育て世代の皆さんが住みづらくなってしまうのが、課題だと思いますので、もっときめ細やかに、市政とも協力して子育てがしやすいまちにしていきたいと思います。
春日部駅東口も同様にシャッター街になっているので、再開発を進めていく必要があると思います。地権者の方も高齢化が進んでたりとかしていて、なかなか整理ができない問題もありますが、市や県で進めていく事業に関しては、当然サポートしていきたいと思います。
――国会議員になればもっと市や県と連携して政策を進められると思いますか。
国会議員に当選すれば、例えば立憲民主党以外でも春日部市選出の県議会議員や市議会議員の方々とも直接お話しすることも不可能ではないのかな思います。
誰であっても春日部市のみならず、さいたま市岩槻区、吉川市、松伏町が発展することにおいては、別に方向性は同じだという思いますので、協力すべきは協力していくことは望むところです。
2024年の選挙での自民党と立憲民主党の違い
――選挙をやっていく上で自民党と立憲民主党として大きく違うところはなんでしょうか。
今回の総選挙における争点である物価高対策についても違いがあると思います。自民党の場合は、大企業経営者だったりお金持ちだったりっていう目線になり、株価を優先する ということにならざるを得ないのかなと思います。一方、立憲民主党は働く皆さんの立場、あるいは 低所得の方々の物価高対策としたら物価を抑えることの方が優先となります。
株価と物価のどちらを優先すべきかというのはひとつのテーマになるかと思っています。立憲民主党としてそこまで言ってはいませんが、私としてはそこだと思います。物価高だから物価を下げようとすると株価も下がるからできないのが自民党です。だから給料をあげてくださいと企業にお願いするしかできないし、特に中小零細企業ではそれもうまくいっていません。
ですからもっと給料も上げることは当然ですが、それと合わせて輸入物価を下げる努力もしなければいけないと思います。政治の側で。
それが金融政策ですね。金融政策は物価、特に為替にダイレクトに響きます。もう少し円高に戻せばすぐに物価は下がります。そうすればエネルギー価格も食料価格も下がります。
今は1ドル140円台ですが、それを120円程度に戻せば、さまざまな商品の値段が下がります。それで給料まで下がっては意味がないので輸入価格を下げるように調整していくことはできるのではないかと思います。
――経済対策を強くアピールしているのは、元銀行員という経験があるからですか?
そうですね。それと会計士の仕事をしてるので経済政策を打ち出していきたいと思ってます。
立憲民主党には公認会計士の議員って1人もいないんですね。経済系の議員は民主党が割れたときに国民民主党にいってしまいましたから。枝野さんをはじめ、弁護士の方はいるのですが。だから経済政策の発信ができる議員として、活躍できればなと思っています。
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