【インタビュー】 白土幸仁 埼玉県議会議員

【インタビュー】 白土幸仁 埼玉県議会議員
自慢できるコンテンツをつくって、愛着と誇りを持たせる!

■県議会議員の仕事とは?

<埼玉県は議員提案で成立した条例の数が全国一位>

――県議会議員は議会のほかにどのような仕事をされていますか?

実は、県議会は会派の代表質問というかたちになっていて、市議会のように議会ごとにほとんどの議員が質問できるということはありません。一般質問は、年に一回まわってくればいい方だと思います。

特に埼玉県議会自由民主党議員団は51人いますから、なかなか質問の機会がまわってこない。ただ、議員の仕事は議会だけではないんですね。政策に携わる時間となると、市議と県議を比べると明らかに県議の方が多いです。それは条例を自分たちで作っているからなんですね。

実は、埼玉県は議員提案で成立した条例の数が全国一位なんです。自民党県議団では、毎年3本以上条例をつくっています。一本の条例は1年かけて、検討、視察、勉強会を開催して練り上げていきます。

市議会では議員提案の条例はほとんどないですから、新しい仕事かもしれないですね。議会でぜんぜん質問していないから、仕事をしていないというわけではなく、見えないところで非常に多くの仕事をしているのが県議なんだと思います。私は2011年に埼玉県議会議員に初当選して、2期8年務めましたが、その間に自民党県議団で出した条例は23件にのぼっています。

 

――2019年2月の議会でも条例の提案をしましたか。

2月議会では「埼玉県特殊詐欺撲滅条例」を提出し、可決しました。自民党では条例づくりにも役割があって、私は政務調査会に所属の企画財政部会長なので、財政に関するすべての責任者なんですね。ですから、財政にかかわる案件を検討したり、県庁や党執行部と意見交換したりすることも非常に多いですね。

<春日部市を県の立場からサポートするのが県議の役割>

――市に直接影響を与えるよりも、県全体を見ている感じですか。

春日部に関していえば、他の市から選出している県議は春日部市のことを詳しく知りません。ですから、春日部から選出している議員は、政策的にも春日部に責任がある立場なんですね。たとえばやっと2019年3月8日に決定した春日部駅の鉄道高架事業に関しても、成立のために議員連盟をつくり、国に要望をだし、対策を検討しながら前に進むように動いてきました。そういう意味で春日部市を県の立場からサポートするのが県議の役割ですね。特に自民党は与党ですから、県議会の中の春日部市担当責任者ということですね。

埼玉県は昔から議員から条例を提案することが多いのですが、その理由は埼玉県では革新系の知事が就任することが多かったからでした。いまの上田清司知事もそうですし、その前の土屋義彦前知事は自民党系でしたが、その前に5期20年知事を勤めた畑和さんは革新系でした。保守系のである自民党が県政に関わるには条例を通さないとならなかったんですね。

土屋前知事のときだけ、同じ保守系として政策に合致するところが多かったので、お互い密接にスクラムを組んでいけたから、条例の提案は少なかったんです。しかし、畑さん、上田知事とはずっと緊張感をもって県執行部と対峙していたので、議員が条例をつくるという土壌が生まれたんです。

条例をつくるには知識を深めて、その問題の専門家にならなければなりません。非常に勉強します。私は2018年2月議会で提案した「埼玉県主要農作物種子条例」の提案者になったんです。この条例は埼玉県、兵庫県、新潟県でしか成立していません。ですから、全国から視察に来るし、質問を受けています。

また条例の提案については、自民党が過半数をとっているからと、なんでも強引にするのではなく、野党とも対話をしながら進めています。

<いまは明らかに若い方に政策がシフトしているからもっと積極的に関与してほしい>

――県議の仕事はなかなか見えないですね。

そうだと思います。ですから、私は毎議会、県政報告のチラシを春日部市内全戸に配布しています。それは議会の取り組みをお知らせすると同時に、市民の皆さんにも議員に任せるのではなく、ご意見を言ってほしいと思っているからなんですね。

埼玉県議会選挙の投票率は、下がり続けていて2011年は39.54%、2015年は37.68%です。

政治にはダーティなイメージがありますから、あまり近寄りたくないという気持ちもわかりますが、生活にかかわるあらゆることが政治で決まるのも事実です。ですから、もうちょっと、特に若い世代に積極的に関与してもらいたいですね。

特にいまは子育て、教育、雇用と明らかに若い方に政策の在り方がシフトしている段階です。もうちょっと積極的に関与したほうが絶対に、若い世代の希望する方向に近づくんじゃないかなと思いますね。

■春日部はどう発展していくか?

<鉄道高架事業の総事業費は県政史上最大>

――春日部駅の高架事業も決まりました。今後春日部はどう発展していくと思いますか。

ハード面での春日部のまちづくりは、メドがたったと思っています。鉄道高架もはじまる。工事がはじまれば必ず完成するんです。いままではできるかどうかわからなかったんですけど、もう黙っていてもできるわけです。

そして東埼玉道路も高速道路になる。周辺には工業団地もできるから雇用も増えて、税収も上がっていくでしょう。北春日部駅の再開発もはじまるし、武里団地もリニューアルする。市立病院は医療センターとして生まれ変わった。そして市役所も建て替える。これらの事業を全部あわせると1500億円くらいの事業費になる。

鉄道高架事業の総事業費は650億円と概算されています。これは実は県政史上最大の額なんですね。埼玉スーパーアリーナは約649億円で、埼玉スタジアムは約356億でした。県政史上最大の額の事業が春日部で行われるんです。ハードはやれることはすべてやって、すべてが完成に向かって動いている状況と言っていいでしょう。

<地域への愛着と誇りを持てるソフトをつくろう>

――できあがるのを待てば、春日部は変わりますか。

ハードがどれだけできても、なにかが足りないと思いませんか。それは地域への愛着や誇りだと思うんですね。住んでいて一番幸せになれる指針は、地域への愛着と誇りなんだと思います。

ですから大事なのはソフトなんです。たとえば、春日部には「こういうのがあるから遊びに来てよ」というものがありません。所沢市であれば、西武球場があって西武ライオンズがあるから、「席をとっておくから一緒に西武球場で野球を見よう」で誘える。さいたま市の埼玉スタジアムでは、食事をしながらサッカー観戦できるスペースがあり、浦和レッズと大宮アルディージャがある。こういう強力なコンテンツがないんですね。

東武線沿線の埼玉県東部地方であると東部地区のの人口は200万人近くあるんです(※)

栃木県の人口が196万1963人(2018年10月1日現在)、群馬県が194万5990人(2019年2月1日現在)です。関東地方の県に匹敵する人口が東部地区にあるのにプロチームがないんですね。

ですから、市外からお客さんを呼べるプロスポーツチームを作りたい。誘致をしたいと思っています。そして「春日部に来ればコレがあるから遊びに来なよ」と自慢できるコンテンツを作っていきたいですね。

そうすれが自然と人は集まってきます。しかも、北春日部駅周辺地区では、これから土地区画整理事業を進めて1000戸分の住宅や商業施設などが建てられるように整備されます。武里団地もリニューアルするので、市内に人が来る場所はもっとできるんです。何度もいいますが、ハードはめいっぱいやっているんです。ですから、どうやって人を集めてくるかに知恵を絞っていかないといけません。

(※)
利根川地区
行田市(8万1337人)・加須市(5万6908人)・羽生市(5万5035人)・久喜市(15万3569人)・蓮田市(6万1834人)・幸手市(5万1306人)・白岡市(5万2456人)・宮代町(3万3991人)・杉戸町(4万5073人)
東部地区
春日部市(23万4286人)、草加市(24万8574人)、越谷市(34万3040人)、八潮市(9万935人)、三郷市(14万1737人)、吉川市(7万2840人)、松伏町(2万9458人)
合計(167万1379人)

<中央一丁目が本気で再開発に動けば、東武鉄道も本気になる>

――にぎわいづくりではどういうことを考えていますか。

鉄道高架にあわせて中央一丁目の再開発をしていく予定ですが、ちゃんと仕掛けて、全力で応援していきたい。本当になんとかしないといけないと思っています。

なぜかというと。東武鉄道はおそらく駅ナカになにかの施設をつくると思います。そのときに中央一丁目に何かができていれば、東武鉄道に大きなプレッシャーを与えることになる。東武鉄道もいいコンテンツをもってこないとならなくなるわけです。中央一丁目が東武鉄道のカウンターパートになるんです。

駅の構内をどうするかを決めるのは完成の3、4年前に決まります。これは新越谷駅がそうでした。そのときに中央一丁目にこういうものができているから、東武もやらないといけない、ということを仕掛けていかないといけません。

たとえば、大塚家具の跡地と春日部駅を二階でつなげるようにしたいと思わせるような施設を育てていくこともいいでしょう。

重要なのは、こちらから東武鉄道にお願いするのではなく、東武鉄道から一緒にやりましょうと言われるものをつくるということです。こちらから「なにもないからつなげてください」とかお願いしたら、足元を見られるだけですから。

あと、気をつけたいのは東京の企業や大型商業施設を春日部に誘致しようと考えてしまうことですね。その視点は間違っていると思います。なぜなら、春日部でオープンしても明らかに東京より売上が落ちるわけです。ですから、東北や九州などで大きなシェアを持っている企業に『関東初進出』というキーワードを提案して呼び込むほうがいいと思いますね。それは商業施設ではなく専門学校や大学でもいいかもしれません。関東を足がかりに、さらに東京進出してくれたいいじゃないですか。中央一丁目は、そういう視点で再開発を考えていただきたいですね。

中央一丁目が本気で動けば、東武鉄道も本気になるので、そうさせないといけない。自分たちの問題ですから、コンサルタントなどに任せないで、自分で動いていっていただきたいですね。最終的にも皆さんの利益になることですから。もちろん、我々も全力で応援しますよ。

白戸幸仁オフィシャルサイト
白土幸仁事務所 春日部市備後西3-4-13
携帯電話:090-9323-0330
電話:048-795-7140 FAX:048-736-1568

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