市立医療センターは埼玉東部の核となる病院
――埼玉14区は6市2町(八潮市、三郷市、幸手市、吉川市、春日部市<旧庄和町域>、久喜市<旧鷲宮町・栗橋町域>、杉戸町、松伏町)という広い選挙区ですが、春日部市に対してどういう取り組みをしていますか。
私は県立春日部高校出身で、自分の選挙区である庄和町域だけでなく、春日部市に強い思い入れがあるんですね。出身は幸手市ですが、高校時代には八木崎駅を毎日利用していましたし、いまも同窓会で役員をさせてもらっています。2016年3月まで春日部高校の校長を務めていた工藤倫郎君は私の同級生でしたから、彼からも春日部市のことはいろいろと聞いていました。
また、私は医師でもありますが、初めて赴任したのが春日部市立病院でした。野戦病院さながらの現場でしたから、地域医療の重要性を強く身体に覚え込ませていただいたと思っています。
――春日部市立病院は春日部市立医療センターとなりましたね。
市立医療センターは埼玉東部の核の病院といっていい病院です。私は日本大学医学部を卒業しましたが、市立医療センターの医師の多くは日本大学から医師を派遣してもらっているんです。病院は、とにかく医者がいないことには経営もうまくいかなくなるんです。医師が診療して、コ・メディカル(医療従事者)、事務職と協力して、診療報酬をもらって経営が成り立つんですね。だから経営がうまくいかない病院というのは、医師か確保できないことが最大の原因なのです。
その点、市立医療センターは医師を確保することを全力でやっています。病院長の山本樹生先生は大学の先輩です。病院事業管理者の三宅洋先生も私の後輩で、お父さんも春日部市立病院の病院長をつとめられご指導をいただきました。
大学が同じだから、みんな電話一本で腹を割って話せる。医療にはチームであたることが必要で、核となる大学と連携することが大事なんです。それは偏っているということではなく、そうしないと丁寧な医療はできないんですね。
――市立医療センターの特色はありますか。
まず公設であるということですね。公設でここまで充実した病院というのは、なかなかありません。そこを市民の皆さんにもぜひ理解していただきたいところですね。
しかも「地域がん診療連携拠点病院」として厚生労働省より指定されています。がん診療連携拠点病院とは、専門的ながん医療の提供、地域のがん診療の連携協力体制の構築、がん患者に対する相談支援や情報提供等を行う病院です。全国に401か所あります(2018年4月1日現在)が、東埼玉では市立医療センターだけです。
安心できる拠点医療施設が公設であるというのは、その地域に住む皆さんにとって大きなアドバンテージです。
また市立医療センターは、これまで春日部市ではあまり充実できていなかった周産期医療についても力をいれています。周産期医療には、地域周産期、総合周産期というレベルがあります。市立医療センターは新生児センター(注1)の認定は県から受けていますが、地域周産期母子医療センター(注2)の認定は受けていないんですね。それが近くとれる見通しですし、さらには総合周産期になっていくと思います。子育ての基盤はしっかりした周産期医療施設があることですから、子育ての基礎が春日部にできると思います。
そうすると近隣の市、町などからも、患者さんが来るようになってくるでしょう。産婦人科を廃業している先生もいますが、それは妊娠中毒症とか重い合併症を持っていると開業医の先生では対応が厳しいからなんですね。昼夜ずっと診ていなければいけないし、正常な分娩ができるかというリスクも強いですから。
その点、市立医療センターはNICU(新生児集中治療室)を備え、24時間対応できるので、埼玉東部の産婦人科の開業医もいざとなれば市立医療センターに頼ればいいということで、安心して診療できるようになるんです。
私自身が医師であるからこそ、春日部の医療を盛り上げていきたいですね。
(注2)地域周産期母子医療センター 産科および小児科(新生児診療を担当)等を備え、母体や胎児、新生児に対する高度な医療を提供できる施設。
国と連携し、子育て支援の充実を図っていくことが重要
――子育て支援に関する、春日部市の取り組みはどうでしょうか。
子育て支援については国と連携することが重要だと思います。私が厚生労働大臣政務官(2015年10月9日~2016年8月5日)のとき、子育て支援担当でした。そのころに、厚生労働省のキャリアと自治体職員の人事交流をやるようになったんです。
子育て支援にはいろんな政策があります。国の支援、県の支援と、さまざまなものがありますから、市はそれを最大限に活用していかないといけません。幼児教育の無償化は国としての政策ですが、自治体にも負担していただきます。国と自治体が連携して実現するわけです。そういった政策を早く進めていくためにも人事交流などを進めることが大切だと思います。
まず、春日部市と厚生労働省との人事交流をはじめる。厚労省から春日部市に来て、春日部市の職員も厚労省にいって、子育て支援がどうあるべきかを互いに学ぶわけです。そういうことを積極的にやっていただいたらいいなと思います。吉川市では2017年に地方創生人材支援制度を使って、厚労省の常勤職員が派遣されて人事交流をおこないました。吉川市から厚労省にも職員が出向して、意見交換などもして、吉川市の子育て環境はとてもきめ細かいものに変わっていきましたね。
――子育て世代を含めた若い世代の意見を聞く機会はありますか。
ぜひともそういう機会をつくっていく必要があります。現状は、そういった世代の方は集会などにもあまり集まってくることがないので、触れ合う機会が少ないんですね。ただ、国会議員をやっているといろんな情報が集まります。そこで集まるさまざまな情報を若い世代に届けたいと思っています。
地域によって課題は違いますから、多くの意見を聞くことが重要です。そして、そこからどう拾って国政に反映していけばいいのかというのは、国会議員にとっても課題であるし、やらなければならないことです。現在、子育て支援は、安倍政権が子どもを真ん中においた政策をやっていただいています。国の予算がけっこう入っていますので、頑張り時だと思いますね。
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