【インタビュー】土屋品子衆議院議員(埼玉13区)第一回

「春日部市のポテンシャルは高まっている」

春日部の道路・鉄道整備のゆくえ

――国会議員として、地元の発展につながる仕事にはどんなことがありますか。

国会議員は国会での審議以外にも海外や国内のさまざまな場所の視察や地元の陳情を受け付けるなどの仕事がありますが、陳情を受け付けるだけでなく、陳情団を組織し、政府や与党に陳情することもあります。例えば、地域高規格道路「東埼玉道路」は、八潮市八条の外環道路からイオンレイクタウン、国道16号と新国道4号の交差する庄和ICを通って、ゆくゆくは杉戸、茨城県五霞町方面への延伸、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)への延伸を要望している道路です。圏央道につながることで茨城県にも行きやすくなり、商圏が広がりますから。東埼玉道路は庄和を通っていきます。ここはまだ開発の余地のある土地が多いので、開通に伴って周辺の開発が進むと思います。

また、松伏は春日部市赤沼交差点(国道4号)への抜け道として、住宅団地であるゆめみ野の住宅街を走る町道7号線で、大型トラックなどの通行が急激に増えたため、騒音・振動被害、交通事故が増えているんですね。この点でも、東埼玉道路が開通すれば、渋滞緩和、交通事故減少といった効果が期待できます。

これらの事業は民主党政権下での道路事業費凍結候補にもなったため、実現が危ぶまれたこともありました。実は、完全に凍結されてしまうと、再開には大変な労力がかかるのですが、なんとか事業は維持されたんですね。その遅れを取り戻すためにも一刻も早く進めなけれないけない事業です。東埼玉道路については、私だけではなく周辺自治体と協議会ができていますので、必ず年末に1回、陳情団を結成し、その先導役として国交省、財務省、党本部に陳情に行っています。

ほかにも、春日部市とは直接関係あるわけではないけれど、地下鉄7号線の延伸にも関わっています。地下鉄7号線は東急目黒線と埼玉高速鉄道線とで相互乗り入れをし、武蔵小杉駅から浦和美園駅までが開通しています。これをまずは岩槻までつなげて、更に蓮田市にまでなんとかつなげてもらいたいと思っています。周辺地域の開発も進んできていて、単年度黒字化していますからもう一息頑張っていけば蓮田まではなんとかつながると思います。

――春日部駅付近連続立体交差事業についても同じ関わり方ですか。

そうですね。同じように要望活動をしています。この事業は県が主体の事業なんです。私が衆議院議員になって二期目の2001年に駅周辺連続立体交差事業の県と市の割合が決定しました。しかし、その後白紙になって以来ずっと要望活動を行ってきました。国、県、春日部市、東武鉄道が一体となって進めていく事業なので、なかなか動きが遅かったのですが、計画も4面8線という北千住以上のターミナル駅になるということも決まり、やっと動き出した感じですね。

インフラ整備が進めば、春日部の将来は明るい

――交通が整備されることで春日部市はどう変わっていくでしょうか。
春日部市の一番の問題は、税収が少ないことです。サラリーマンが多いまちなので、大きな税収がないんですね。だから市の事業もダイナミックにできなかったという事実があります。

けれど、東埼玉道路が完成すれば、庄和地域は物流拠点になります。そうなれば単なる物流の倉庫だけではなく、生産からパッキングや仕分けなどトータルでまとまった物流工場ができる可能性もあります。そうなれば税収も増えるし、雇用の受け皿も増えていきます。そうやって道路周辺に企業が来ることで、市のいろいろな問題におカネがかけられるようになると思いますね。

こういった事業を確実にしていくことが、春日部の成長のためのステップになると思います。駅が変わることで春日部に住んでみたいなという人が増えるのが大事だと思います。まだ事業として絵が描けているわけではないのですが、春日部駅西口の再開発は駅の橋上化とリンクして進めていくことが重要です。

鉄道と道路が整備され、利便性が高まることで、春日部市に住みたいと思う人が増えてくることを期待しています。

――春日部市の将来性は高いですか。
春日部市はものすごいポテンシャルがあるまちです。まず春日部駅は東武鉄道の根津社長が「東武鉄道のへそ」と言っているくらい期待をしている駅です。2001年に特急スペーシアの停車駅となりましたが、当時、東武鉄道はかなり難色をしめしていたんですね。交渉は本当に大変でした。10万人の署名を集めたり、何度も東武鉄道と話し合いをしました。ところが停車駅になると、東武鉄道にとってドル箱の駅となりました。春日部駅から北千住駅までスペーシアの特急料金は510円ですが、多くの市民が利用していますから。

そして大宮駅から北千住駅、浅草駅まで乗り換えなしで行けるようになりました。駅高架が完成したらもっと本数も増えるでしょう。そうなると大宮は地価が高いけど春日部なら住めるかもしれないという人もでてくる。アーバンパークラインも急行ができて春日部―岩槻―大宮でしか止まらない列車もできました。

また、東武鉄道は最終的には大宮発成田行きをつなげたいと思っているんですね。既存の線でほとんどつながっているので、一部をつなげていけば、あとは乗り入れをどうするかということだけ。そうなれ成田空港からのインバウンドの効果も期待できます。

道路に関しても、春日部市には常磐道も東北道も通ってない陸の孤島と言われてきましたが、東埼玉道路がつながり庄和ICができれば、南北に高速道路へ道ができ、東西には外環道と圏央道がつながるわけです。また、圏央道と外環道の間を16号が走っているけど慢性渋滞ですから、可能性としては春日部に高速道路をという議論もでてくるでしょう。そうすると春日部は鉄道も高速も全部つながる可能性もある。

本当に春日部市のポテンシャルはあがっているんです。こうしてハードが整ってくると、それを利用したソフト面をどうするかですよね。観光、商業、安心安全な生活、暮らしやすさをどう作っていくのか。こればかりは政治家や官僚ばかりにまかせてはいけません。どういう春日部市にしていきたいのか、市民の皆さんにも考えていただき、一緒に春日部市の未来をつくっていけるようになれば将来は明るいのではないでしょうか。

オール春日部でまちづくりを進めよう

――なかなか、春日部にポテンシャルがあるイメージが市民に描けてないように感じます。
私も「春日部は停滞している」というご意見はよく伺います。理由のひとつにPRが下手なところがあるかもしれませんね。市にしても議員にしても。あと、眼に見えて変わっているものがあまりないですね。でも駅ができる。道路がつながるとなったら、大きな変化を感じてもらえるかもしれません。

国会議員には、自分の選挙区だけを見るのではなく、世界や他市の自治体を見て、いいところを取り入れつつ地元の特性を活かして、「こんなにいいまちになるんだからもっとみんなで盛り上げましょう」と発信していく役割もあると思います。そのために、さまざまな場所に視察に行っているわけですから、もう少し声を上げていかなければいけないという反省は私にもありますね。

また、陳情についても「オール春日部でやろう」と陳情団に提案しています。陳情団に参加するのは商工会議所や自治連合会だけではなく、たとえばPTAや福祉団体、春日部に住み他市に出勤するサラリーマンの方、そして学生など、いろんな立場の人がかわりがわり参加して、春日部の総意として要望するというのは、インパクトあると思いますよ。

【インタビュー】土屋品子衆議院議員(埼玉13区)第二回

<写真 小川裕夫>

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