景気判断の参考になるレポートと統計

1)内閣府

「月例経済報告」

政府が毎月公表する、景気に関する公式見解をまとめた報告書です。景気の現状と先行きに関する見解などをまとめています。個人消費、民間設備投資、生産・出荷・在庫、企業収益・業況判断、雇用情勢など分野ごとの見解をまとめている他、海外経済に関する景気の動向についても見解をまとめています。

「景気ウォッチャー調査」

内閣府が毎月公表している数値で、タクシー運転手や小売店の店長など景気動向に敏感な立場の人が見た景況感を指数化したものです。他の指標には表れにくい、生活実感に基づいた皮膚感覚の景気動向を捉えるのに便利で、「街角景気」とも呼ばれています。

2)総務省

「消費者物価指数(CPI)」

総務省統計局が毎月公表している数値で、世帯の消費構造を基準に、家計に関わる財やサービスの小売価格を総合した物価の変動に関する指数です。中でも、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数」は、一時的な要因(国際情勢、天候など)の影響を受けにくいことから、経済の実態に即した物価動向を把握しやすいとされています。

3)厚生労働省

「労働経済動向調査」

四半期ごとに公表している数値で、労働時間・労働者の過不足・雇用調整・採用計画などの雇用環境を調査したものです。

4)総務省

「家計調査」

総務省統計局が毎月公表している数値で、家計の収入・出費の内訳、貯蓄・負債の状況などを調査したものです。世帯ごとの家計の状況を基に、消費者動向をつかむことができます。

「サービス産業動向調査」

総務省統計局が月次調査および年に1回の拡大調査を公表している数値で、サービス業を営む事業所・企業の売上高や従業員数といった現状などを調査したものです。業種別に見たサービス業の動向をつかむことができます。

5)経済産業省

「鉱工業指数(IIP)」

毎月公表している数値で、製造業などの生産・出荷・在庫・生産能力・稼働率などを指数化したものです。製造業全体および個別の業種における大まかな動向を見ることができます。

「生産動態統計調査」

毎月と年に1回の年報を公表している数値で、個別製品ごとの生産・出荷・在庫状況を調査したものです。より特定の業種に絞った動向を見ることができます。

「第3次産業活動指数」

毎月公表している数値で、情報通信業・金融業・サービス業など第3次産業の経済活動の状況を指数化したものです。個別サービス業の業態における大まかな状況をつかむことができます。

「商業動態統計」

毎月公表している数値で、商業を営む事業所・企業における販売活動の現状などを調査したものです。業態や取扱商品別に見た小売業・卸売業の動向をつかむことができます。

6)日本銀行

「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」

日銀は、政策委員会による「金融政策決定会合」で経済・物価見通しなどを点検するとともに、金融政策運営の考え方を整理したレポートを公表しています(年4回。原則1、4、7、10月)。景気動向を含めた経済や物価の現状およびリスク要因を踏まえ、経済の先行きなどに関する基本的見解を示しています。

「短観(全国企業短期経済観測調査)」

日銀が四半期ごとに公表している数値で、大手・中小企業の業況・需給・価格・在庫水準・投資・人員・資金繰りなどに関する回答結果を数値に置き換えたものです。さまざまな経営者の景況感を見ることができ、特に大企業製造業者による業況判断は、景気に関する先行指数になるといわれています。

7)内閣府経済社会総合研究所

「景気動向指数」

毎月公表(おおむね2カ月前の数値を公表)している指標です。生産、雇用などさまざまな経済活動で、景気に敏感に反応する重要な指標の動きを統合して作成しています。

景気の山の高さや谷の深さ、拡張や後退の勢いといった景気変動の大きさや量感を測るコンポジット・インデックス(CI)と、改善している指標の割合を算出することで景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測るディフュージョン・インデックス(DI)があります。

いずれのインデックスも、先行指数(景気の動きに先行して動く指標)11、一致指数(景気の動きに一致して動く指標)10、遅行指数(景気の動きに遅れて動く指標)9の合計30の指数を基に算出しています。指数の基になっている個別の統計情報も参考になるでしょう。

「国内経済計算(GDP統計)」

年に8回の「四半期別GDP(国内総生産)速報」と、年に1回の「国民経済計算年次推計」があります。GDP成長率や、民間・家計・公的機関の需要および輸出入の大まかな動向、国民資産・負債残高など、国内マクロ経済の基本的な数値を見ることができます。

「消費動向調査」

毎月公表している数値で、消費者の意識や動向を「消費者態度指数」として指標化しています。抽出した世帯への、暮らし向きや物価の見通し、主要耐久消費財の保有・買い替え状況などのアンケート調査に基づき作成されています。

「機械受注統計調査」

内閣府経済社会総合研究所が毎月の実績と四半期ごとの見通しを公表している数値で、設備用機械類の受注状況を調査したものです。設備投資の動向を見ることができます。

8)財務省財務総合政策研究所

「法人企業景気予測調査」

四半期ごとに公表(調査は内閣府経済社会総合研究所と共同で実施)している数値で、企業から見た景況感、企業の現状などを総合的に調査したものです。企業活動の実態を捉えることができます。

 

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